熱処理って何?何のためにするの?

前回、”標準品”の怖さで熱処理の用語を使用しました。折角なので、熱処理について少し語りたいと思います。

 

熱処理は加工品を製作するうえで非常に重要なファクターです。

 

ですが完成品の見た目では良品か否かの見分けが付きにくいため、内容を正確に理解しておくことが大事です。

 

理解不足の状態で熱処理を受注すると、あとで大変な問題につながる可能性もあります。

 

弊社も前回の事例を含め、これまでに何度か熱処理で問題を起こした苦い経験があります。

 

ですので弊社も社内勉強会をこれまでに複数回実施しており、社員は熱処理の内容や怖さをよく理解しています。

 

さて今回は歯車の事例をもとに分かりやすくお伝えしていきます。

 

まず、「熱処理」とは何か?その名の通り熱を利用する処理方法となります。

 

では何のために熱を入れるのか?

 

硬くするためです!!

 

鋼に熱を加えることにより、鋼は硬くなります。刀剣作りに施されるのを見たことがあるかも知れません。

 

では歯車で硬さが必要な箇所はどこだと思いますか?

 

それは歯面になります。歯車は歯と歯が噛み合い回転します。

 

歯の部分が柔らかければ、高速回転で摩耗したり、大きな荷重が掛かった際に強度不足で欠けたりします。

 

これを防ぐために熱処理を行い、歯の硬さ(硬度)を鋼素地の状態よりも高め耐摩耗性や強度を向上させます。

 

以上のことから歯車に熱処理を行う必要性は理解していただいたと思います。

 

しかし・・・硬くなってしまうと失われるものがあります。それは何か!?

 

次回はお伝えします!

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