「遊星歯車(ギア)とは?」新入社員でも分かるポイント③【増速・逆転】
ラストとなる今回は・・・
「太陽歯車・遊星歯車の固定による増速・逆転とは?」をお伝えします。
前々回~今回まで読んでいただければ、遊星歯車機構の全貌が見えてくると思います!
You Tubeにとても分かりやすい動画がありましたので、それを用いてご説明します。
【前提】
A=遊星歯車 B=太陽歯車です。インターフェース回転速度:A=B
※インターフェース:簡単に言うとA、Bの歯面が噛み合うタイミングです。
「インターフェース速度はAB同じ」これが違うと、歯車同士が噛み合いませんね。
よって、「減速させるには歯車の歯数を変える」事は前回お伝えしました。
これは他の組み合わせでも同じことです。
つまり「歯車の変速や逆転は、歯車の噛み合い速度は変えず歯車の組み合わせで行う」と言えます。
【増速】
太陽歯車を固定し、遊星キャリアから入力します。
入力側である遊星キャリアから遊星歯車を通じ、内歯車へ伝動し、増速され出力されます。
では何故これで増速されるのか?すでにお察しの方もいらっしゃると思いますが・・・
「内歯車の回転半径は、遊星歯車の太陽歯車を中心とした公転半径より大きい」からです。
つまり内歯車の回転速度>遊星歯車の公転速度=遊星キャリアの回転速度となり、出力時に増速されます。
【逆転】
遊星キャリアを固定します。
これにより、遊星歯車は公転する事はなく、自転のみとなります。
これにより・・・
入力側の太陽歯車から伝動される遊星歯車は、赤矢印のように内歯車に伝動し、内歯車から出力します。
赤矢印は、太陽歯車側では青矢印の回転に沿い回転し、内歯車側でオレンジ色方向に伝動させます。
つまり内歯車は太陽歯車と逆回転します。
以上、3部構成で遊星歯車機構の説明をしましたが、いかがでしたか?
皆さんの知識の深堀のお手伝いができたのであれば幸いです。ではご質問があればこちらへ♪