テーパー治具 当たり不一致の検証 ―中編:寸法は良品、浮かび上がった“角度差”

画像測定器

前回の続きとなります。まだ前回記事をお読みでない方は、ぜひ先にこちらをご覧ください。

 

「当たり以前に、寸法そのものが本当に公差範囲内なのか確認したい」

 

弊社より、改めて見積当時の条件や経緯をご説明したところ、お客様からこのようなご要望をいただきました。

 

そこで弊社から、当時製作を担当いただいた “ふるさと加工ネットワーク” の加工業者さん へ、再確認を依頼することにしました。

 

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今回ご協力いただいた加工業者さんの紹介ページはこちらです。今回の対応内容からもお分かりいただけるかと思いますが、高い加工精度が求められる微細加工を得意とされている加工業者さんです。
ぜひ併せてご覧ください。

 

今回、改めて確認をお願いした内容は次の2点です。

 

・当時の検査資料に、テーパーゲージとの当たり状態を確認した記録は残っているか

・今回返送された製品について、即日で全箇所の再測定は可能か

 

大変ありがたいことに、加工業者さんには迅速にご対応いただき、即日で全箇所の再測定を実施していただきました。

 

提出された測定結果資料には、当時の検査内容に加え、本来は計測対象ではなかったテーパー角度、
さらには お客様支給のテーパーゲージ寸法 まで、非常に細かく記録されていました。

 

■測定結果:各寸法はすべて公差範囲内

 

測定データを精査すると、どの寸法も しっかり公差範囲内。つまり・・・良品です。

 

ところが、角度解析に目を向けると、非常に興味深い数値の違いが確認できました。

 

■遂に判明した“当たりの違和感”の正体

 

テーパーゲージ: 11.408°

無印品テーパー角度: 11.441°(ゲージより大きい)

・×印品テーパー角度: 11.378°(ゲージより小さい)

 

無印品と×印品の角度差は、わずか 0.063°。
しかしこの差が、“感触の違い”として十分に現れるレベル であることが分かりました。

 

具体的には・・・

・角度が大きい無印品
 → テーパーゲージがすんなり挿入でき、違和感はない

・角度が小さい×印品
 → 挿入時の入口は窮屈だが、挿入後は中でブラつく

 

これは、まさにお客様が感じておられた違和感そのものです。

 

つまり今回の違和感の原因は、「寸法不良」ではなく、「テーパーゲージと加工品の角度差」による可能性が高い、という結論に至りました。

 

では、この 0.063°という角度差 は「不良品」と言い切れるものなのでしょうか。

 

結論から言うと、断定はできません。

 

というのも、図面上にはテーパー角度そのものについて明確な規定がなく、角度公差が定義されていなかったためです。

 

では、お客様はこのテーパー角度をどのように管理される想定だったのでしょうか。

 

そのヒントが、図面に記載されていたこの注記です。

→「テーパーゲージとの当たり状態は80%以上であること。」

 

前回の記事を読まれた方であれば、すでにお気づきかもしれません。

 

そうです。

 

見積り段階で、「80%以上の当たりは検証不可」と説明していた・・・あの条件です。

 

弊社では見積時に、この点を条件として明確にお伝えしていました。
(不可とした理由については、前回の記事で詳しく触れています)

 

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実はこの加工品、商流が4社を介する“リレー方式” となっていたことで、この重要な前提条件が正確に伝わっていなかった可能性が残りました…。

 

この点が、今回の問題をより複雑にしていた要因でもあります。

 

気になる続きは、次回の記事で詳しくお伝えします。

 



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