アルミ鋳物グラビティ鋳造で見落としがちな”3つの視点”

アルミ鋳物

私ごとですが、息子も6年生となり、少年野球チームの卒団が近づいてきました。 

「光陰矢の如し」とはまさにこのこと。最終学年は親子で過ごす時間も濃く、充実した一年でした。

 

しかし余韻に浸る間もなく、次は中学野球。神戸市では部活動の民間移行が進んでおり、
今後はクラブチームで活動するかどうかの選択を迫られています。硬式か軟式か、親の負担は……。

これから考えることが多くなりそうです。

 

さて、そんな日々の中で、私は現在アルミ鋳物のグラビティ鋳造品を扱う案件に携わっています。

 

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以前のブログで「アルミ鋳物とは?」「グラビティ鋳造品との違い?」ついて紹介しております。よろしければご覧ください。

今回は1年以上の打合せを経て受注した案件で、用途・強度・精度・数量・製品単価・型費など多方面の視点から検討を重ねました。

 

特に今回は強度要求が高かったため、「グラビティ鋳造+機械加工による仕上げ」による製作を採用することに。

 

設計段階から鋳造業者・機械加工業者と三者で協議を重ねながら進行しました。

 

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試作を経て量産に向けた準備を進める中で、図面だけでは気づけない“グラビティ鋳造ならではの注意点”がいくつも見えてきました。

 

ここでは、その中でも特に印象に残った「3つの視点」を整理します。

 

チェックポイント① エジェクターピン跡

金型から製品を取り外す際、ピンで押し出すことで生じる跡――それがエジェクターピン跡です。

下の写真をご覧ください。

赤丸部がエジェクターピン跡となります。

 

形状には「凸」「面一」がありますが、ここがもし凹んでいると強度低下のリスクも考えられるため、一般的には凸形状で金型製作を行います。

 

エジェクターピン跡は打合せ時には触れらていない箇所でしたが、上の写真では面に対しわずかに凸に、下の写真では面に対し面一になっていると思います。

 

鋳造ではこの凸がごく当たり前のことながら、実際に製作に関わるまでは意識しづらい点でした。

 

さて今回の製品では、この凸部が見た目上どうしても気になるというご意見をお客様からいただきました。

 

光の反射などで小さな突起が強調され、製品の外観イメージを損ねる恐れがあるとのことでしたので、改めて金型修正を行いました。

 

チェックポイント② ガジリ!?

製品を金型から抜く際に、表面が金型に引っかかり微小に削れたり、溶着したりする現象です。

下の写真をご覧ください。

赤丸部にキズ?ダコンのようなものが見えます。これがガジリです。

 

厄介なのは、鋳造直後は目立たないのに、ショットブラスト後に浮き出るという点。

 
取り外し直後では軽い表面キズのように見えましたが、ショットブラスト処理後に一気に存在感を増すことがあります。

 

アルミは柔らかく熱伝導も高いため、こうした現象が起きやすい素材。

 

話は全く変わりますが・・・以前取り上げた「アルマイト処理で溶接跡が浮き上がる」事例と同様に、見た目変化を想定した設計と検査基準の共有が重要だと痛感させられました。

  

チェックポイント③ 幾何公差(対称度)の管理

下の写真をご覧ください。

今回の製品では、ねじ部にヘリサートを挿入しています。

 

アルミ鋳物のネジ部は強度確保や寸法安定のため、ヘリサートを用いるケースが多いです。

 

ただし挿入時にわずかなズレが発生すると、その穴を基準にする幾何公差に影響を及ぼすことがあります。

 

今回の指定は対称度0.01。加工完了時点では公差内でしたが、ヘリサート挿入後の検査で微妙な誤差が確認されました。

 

このように、鋳造加工では仕上げ工程や組立工程で微小な変化が生じることがあります。

特にヘリサート挿入のような後工程では、寸法や対称度に影響を及ぼす場合があり、打合せの段階からその可能性を見込んでおくことが非常に大事になると感じました。

 

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改めて今回の案件を通じて、鋳造品は図面上の寸法だけでは見えない要素が多いことを実感しました。

 

設計担当、鋳造業者、機械加工業者・・・それぞれの立場で見える課題を共有しながら、現場で確かめていくプロセスが何より重要です。

 

萬代では、アルミ鋳物の取り扱いはまだ多くありません。

 

しかし本件のような実案件を通じて、一つひとつ確実に経験を積み上げています。

 

お客様と共に課題を整理し、最適な製作方法を模索する。の積み重ねが、次の品質と信頼につながると考えています。

 

鋳物を検討中の方も、「まずは相談から」ぜひお声がけください!!

 



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