お客様から ”スピンドルのスペックアップを図りたい!!” とのご相談が・・・。
暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
暑すぎて家から出たくない!!という方が多いのではないでしょうか?
私はむしろ更なる暑さを求めて、あるところへ行くことが夏の楽しみのひとつなんですが、一体どこだと思いますか?
それは・・・サウナです。(年中です)
夏はサウナ後の水風呂が1年でイチバン気持ち良い季節なのです。
どなたか共感していただける方はいませんか?(笑)
では、本題に移ります。
担当のお客様から「スピンドルの回転数を上げたいんだけど、現行のアンギュラ玉軸受で問題ないか確認して欲しいんだけど・・・」
とのご依頼をいただきました。
より詳しい情報を入手するため、お客様へヒアリングさせていただくと、
「回転数を上げる場合は、荷重も検討する必要があるのかな?」
「接触角も要検討?」
と次々と質問が飛んできました。
「むむむ・・・」
目下、アンギュラ玉軸受をはじめとした転がり軸受を勉強中の私にとってはハイレベルなご質問たち。
軸受メーカーさんに丸投げすればお客様の質問にはお答えできるのですが、それでは私のプライドが許さない!!
加えて、同ブログ読者のみなさま方の中にも転がり軸受を勉強中の方もいらっしゃるのではないかと勝手に推測し、
今回は軸受選定で押さえておくべきポイントをメーカーさんのお力も頂戴しながら整理させていただくことにしました。
既に転がり軸受についてお詳しい方には退屈な内容となってしまいますがご容赦ください・・・。
まず、「回転数を上げる」についてです。
「回転数を上げる」場合、留意すべきポイントは以下になります。
・摩擦熱によって転がり軸受内部の温度が上昇し焼付が発生しやすくなるため、各軸受の「許容回転数」を確認する
・転がり軸受を複数列の組合せで使用する場合は、組合せによって許容回転数の制限を受ける場合がある
そうなんです。
私も転がり軸受のカタログに「許容回転数」が掲載されていることは知っていましたが、ここで登場するとは!!
しかも複数列の組合せも回転数に影響を与えるなんてちっとも知りませんでした・・・。
というわけで、さっそく今回ご依頼いただいた内容からカタログの「許容回転数」を元に確認してみることにしました。
すると、残念ながら現在お使いのアンギュラ玉軸受においては、ご依頼の回転数では使用が難しいことが判明しました。
「う~ん・・・。どうするか?」
ここでさらにカタログを読み込んでいくと・・・。ありました。代替案が!!
通常の転がり軸受は「SUJ2」という軸受鋼で外輪、内輪、転動体(玉、ころ)を製造していますが、
転動体がセラミックス製のものがあります。
通称「セラ玉軸受」と呼ばれるものです!!
セラミックス製の玉はSUJ2の鋼球(高炭素クロム軸受鋼)と比較して40%軽量のため、遠心力の影響が小さく低発熱という特長があります。
この特長によりSUJ2製軸受より許容回転数が大きくなるわけです。
結果、今回の「回転数を上げる」というご依頼に対しては「セラ玉軸受」をご提案することでお客様のお役に立てそうです!!
が、「列数」「荷重」「接触角」等、まだまだお答えすべき課題が・・・。
というわけで、次回は「荷重」について整理させていただきますので、乞うご期待ください!!
ちなみに、弊社が販売代理店を担っている日本精工(NSK)さんには、「セラ玉軸受」以上の高速回転に対応可能なアンギュラ玉軸受 ”ロバストシリーズ” が存在します。
”ロバストシリーズ” は内外輪に独自開発の耐熱鋼 ”SHX鋼” を採用した超高速アンギュラ玉軸受です!!
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